ネットの片隅で感じる、時の流れとしばしの別れ
長いことインターネットの世界に身を置いておりますと、様々な方とのご縁に恵まれます。特に、私がまだ若かったパソコン通信の時代からのお付き合いとなると、もう四半世紀以上にもなりますでしょうか。 あの頃は、PC-VANやニフティサーブといった場所で、同じ趣味を持つ仲間と文字を通じて語り合ったものです。私の場合は、特にランニングのフォーラムで多くの刺激をいただきました。掲示板に集まっては、日々のトレーニングのこと、レースのこと、時にはくだらない冗談を言い合ったりして、それが日々の大きな楽しみでした。パソコン通信が終わり、インターネットの時代になっても、私たちはBiglobeやniftyといったプロバイダーのサービス内で交流を続け、あるいはそれぞれが個人でホームページやブログを立ち上げ、トラックバック機能などを使ってお互いのサイトを行き来するような、濃密な繋がりもありました。 しかし、時の流れというのは正直なものです。最近、かつてのネット知人の方々のサイトを覗いてみると、ずいぶんと更新が止まってしまったり、残念ながら閉鎖されてしまったサイトが増えたように感じます。私が長年親しんできた、ニフティサーブのランニングフォーラムの流れを汲むfrunというサイトも、以前のような活気はなく、投稿数もめっきり減ってしまいました。私自身も、50歳を過ぎたあたりから膝や腰の痛みに悩まされるようになり、以前のように長距離を走ることが難しくなり、自然と足が遠のいてしまったということもあります。 なぜ、これほどまでにネット上での繋がりが静かになってしまったのでしょうか。もちろん、時代の変化や、スパムの横行といった技術的な問題もあるでしょう。かつてのように、サイト同士を気軽に繋いで交流するような文化は、残念ながら衰退してしまったように思います。 しかし、それ以上に大きな理由があるとすれば、私たち自身が年齢を重ねたことではないかと感じています。あれからもう20年以上が経ちました。それぞれの実社会での生活に重きが移ったり、若い頃のようにインターネットに情熱を傾けることが少なくなったりと、様々な変化があったことでしょう。 そして、何よりも避けられない現実として、お互いに「死」が少しずつ近づいているということがあります。どれほど素晴らしいサイトやブログを運営していても、個人の「寿命」には勝てません...