最後のお別れは自分
人生の終わりに思うこと - 最後のお別れは自分
あるラジオ番組を聴いていて、「なるほど」と、ふと悟らされた思いがしました。
六十年以上生きていれば、数えきれないほどの葬儀に参列し、故人との「お別れ」の儀式を経験してきたものです。両親をはじめ、友人、知人、そして近所の方々との別れを幾度となく見送ってきました。
しかし、これまで気づくことはありませんでしたが、人生で一番最後に見送るのは、他でもない「自分自身」なのだと、ようやく理解に至ったのです。いつか、死というものが自分の身にも訪れるとは考えていましたが、自分で「自分」にお別れを告げるという感覚は、全くありませんでした。
しかし、よく考えてみれば、「お別れ」の中で最も大切なのは、やはり自分自身なのでしょう。人生の終わりに臨んで、多くの思いが去来することでしょうし、その時を迎えるまでに、多くのことを深く考える必要があるのだと思います。なぜなら、一度目を閉じてしまえば、「思う」ことや、感傷に浸ることは、もうできなくなってしまうからです。(これは、私自身の率直な思いです)
さて、つい最近のことですが、3月末から4月初めの21日間、突然の肺炎で入院を余儀なくされ、そのうち10日間は、絶食による点滴治療を受けることになりました。自分が、入院するほどの病を抱えてしまったことに、大きな戸惑いを覚えたものです。幸い、現在は完全に回復していますが、入院当初は、医師から後で聞いた話によると、検査の数値的にはかなり危険な状態だったようです。それでも、苦しみながらも徐々に改善に向かい、今日を迎えることができました。
今にして思えば、あの時もし入院せずに無理をしていたら、敗血症などを引き起こし、意識のないまま、自分自身に「さようなら」を言うこともできずに、人生の幕を閉じていたかもしれません。
私は、人生の終わりの床で、息を引き取るその瞬間、一体どのような思いで、自分自身にお別れを告げるのでしょうか。
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